1年間、手はお尻の下に

私の場合、頭の中の写真を見る事が出来るようになった始まりは、どうも小学1年生のようです。

算数セットの頭の中の写真のスケッチ
入学してもらった算数セットは、カラフルなおはじきや短い棒。

お金。時計が、見た事もないくらいキラキラしていた。

今まで遊んだ何よりも美しく、授業中に並べたり重ねたりしてずっと遊んでいた。

算数以外の授業中も手にとって遊んでいて、いい物をもらったと、周りの子に話しかけていた。

大きく後ろを振り返って、後ろに座っている子にも話しかけた。

授業中に見ていた風景の頭の中の写真のスケッチ
この写真は、とにかくいっぱいある。
  担任の白藤先生に

「じっと座ってられないなら手はお尻の下に入れて座りなさい!」

と、言われた。

手は固定されるので、体をよじったり、後ろをむく事も出来なかった。

手を出して、字を書く事も、教科書をめくる事もできなかった。

先生からは、

「黒板に書いてある事を見て覚えなさい!」

と、言われた。

多くの授業でもこれが続いた。  

黒板だけを、じーっと見て1年間を過ごしていた。

無記入の連絡帳の頭の中の写真のスケッチ 
 
  翌日の持ち物も見て覚えて帰った。

連絡帳も白紙のまま。

普通の小学生がする、書いたり、計算をしたり、本を読んだり、どうしていたのかは覚えていない。

その代り、見たものの写真を撮って記憶が出来るようになった。

頑張って復唱したり、何度も書いたりして、覚える事はしない。

覚えなくても、頭の中の写真を引き出し、広げて読めば、何が書いてあるのか分かった。
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